愛猫の健康のためにするべきこと

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さて、2011年に相次いで2匹の愛猫を腎不全で失ったお話は書きました。
その時の経験から私が学んだ教訓は
「幼少期からのフードの大切さ」
でした。

未熟飼い主の私はチョビちゃんにもピートちゃんにも、市販の「カルカン」とか「猫元気」とかそういった「普通のメーカーのどこでも買える安いフード」を与えていました。

3kgだって500円や600円でセールで買えちゃうフードたち。
あるいはもう少し「高級」な「シーバ」みたいな嗜好性の高い「猫が喜ぶ」フード。

これは駄目です。

猫は生後3ケ月ぐらいまでに味覚が決まるという話がありますが、一度嗜好性の高いこういったフードに慣れさせてしまうと、ヒルズやロイカナのようなメーカーの「ちゃんとした」フードを受け付けなくなりがちなのです。
実際 チョビたちは療法食に切り替えることができませんでした。
ハンストするのです。
腎不全が進むと食欲が落ちます。食べないことは腎不全を進行させるので、板挟みになり、
どんなものであれとにかく食べさせることが優先の状況では療法食どころではなくなりました。

2002年GWに保護したのが、くろちん。
草むらにへその緒と胎盤ひきずる赤ちゃん猫3匹。チョビ、ピート、ミミと3匹ですでにマンションの規約違反だったので悩みましたが、とにかく保護。
一番上に乗ってる茶色い子(オレンジちゃん)は亡くなり(T_T)、真ん中の子は無事里親さんがみつかり、手放せなくなってしまった黒猫がうちの子に。

くろちんは、離乳食の段階からヒルズのキトンのドライを猫ミルクでふやかしたものを与えました。
離乳してからもヒルズしかあげませんでした。
途中 チョビたちの猫元気の味を覚えてしまったのは大失敗でしたが、去年1月から療法食に切り替えるのはどうにか成功。
くろちんの療法食はあれこれ試した結果 唯一継続して食べてくれる日清JPスタイルのこれに落ち着きました。こちらは獣医さんを通してしか売っていないので、ネットなどでは買えません。
主治医の王禅寺ペットクリニックさんでお願いしています。

JPスタイル キドニーキープ(腎不全療法食)

2015年生まれの茶トラのマノンちゃんはその点、完璧です。
ヒルズ以外与えず、本人もそれで満足して育ってくれ、ホッとしています。
マノンの現在のごはん:(ちょっとぽっちゃりさんになったので)



そして ジジくんはストルバイトケアのオルファクトリー。

腎不全のお薬とサプリ

【お薬】

さて今回は腎不全対策。
療法食にはいつ切り替えるかですが、10歳過ぎたあたりから検討しても良いと思います。血液検査は14歳ぐらいまで 年1回していました。今は3ケ月ごとのBUNやCREAなど腎臓中心の血液検査と年1回の総合検査です。

実は、BUNやCREAの値が少しでも上がってきたら、その時点で腎機能の7割が死んでます。
そこで近年、新しい指標SDMAの値を検査することが推奨されています。
これはBUNやCREAよりもっと前段階に反応する指標なので、より早期に腎不全の兆候を発見できるのです。 獣医さんによって扱っていないところもあります。
まずは獣医さんに「SDMAの検査をしたい」と相談してみてください。
12歳や13歳を過ぎたら毎年検査するべきです。もちろんもっと早期、10歳ぐらいから初めても悪いことは何もありません。

【獣医師監修】猫の慢性腎不全の早期発見!SDMAって知ってる?

くろちんの場合は ときすでに遅しでSDMAを検査する必要もなくBUNとCREAが上昇を初めていました(泣)

さて お薬ですが、去年1月より セミントラ というお薬をはじめました。
こわれた腎臓機能は回復しませんが、悪化させないための温存療法となります。
腎不全のお薬としては「セミントラ」の他に「ラプロス」というのが有名ですね。
特に理由はありませんが価格的なこともあってセミントラにした記憶があります。
セミントラで効果が出ない子はラプロスを試すようです。


【獣医師監修】猫の腎不全の薬「セミントラ」の効用と注意点

セミントラは一言で言えば「 タンパク質が尿に出ないように抑えることで腎臓の負担を軽くし、き、腎不全の進行を遅くする」ことを目指したお薬です。
体重1kgにつき付属のスポイト1メモリ(1ml)が目安で、くろちんは2.8-3kgなので 3メモリ弱にしています。 3メモリにしたら少し下痢気味になったので控えました・・・
24時間しか効力が続きませんので何があっても 毎日飲ませます。
こちらは ネットで唯一「うさパラ」というところが輸入販売しています。

獣医さんと相談して安い方で調達しても良いと思います。この100mlでくろちんの場合3ヶ月ぐらいもちます。 でも必ず獣医さんには定期的に相談し、勝手に服用させないでくださいね。 薬の影響で血液の赤血球の数が減少する傾向がある、と記されており、血圧も下げる効果があり、体重2kg以下は使用禁止とのこと。 それでなくても腎不全となると貧血気味になるのです。
          → うさパラ セミントラ

さて、もうひとつのお薬「ラプロス」は異なるアプローチとなります。こちらのほうがお高いです・・・ネットでは買えません。

【獣医師監修】猫の新しい腎臓病の薬「ラプロス」とは

こちらは腎臓への血流を増大させることで腎機能を助ける、ということのようです。
1日2回投与が必要でステージ2-3の子向けとのこと。

サプリメント

サプリメントは薬ではありませんが、こちらも主治医には報告と相談はしましょう。
くろちんの場合は 次の3系統を投与しています。
1)乳酸菌系:プロバイオティクス 2種


アゾディルというアメリカで非常に評価の高い、近年日本で解禁になったもの。
カプセルのまま腸に届かせる仕様なので、カプセルから出さずに飲ませます。体重5kgまでで1日2粒。

乳酸菌系については こちらにもまとめてあります。
           1)アゾディル   2)乳酸菌生成物質


2)りん吸着系
イパキチンというサプリです。カルシウム系りん吸着剤。
無味無臭の白い粉で、うちは「ちゅーる」少量にまぜて朝晩あげています。
180gのボトルで体重5kg未満なら3ヶ月とあります。くろちんは 付属のスプーンに3/4ぐらいを朝晩です。


     ※りん吸着系サプリ一覧はこちらに書きました。
3)オメガ3脂肪酸カプセル
これは体力補完系というか、基礎力のベースアップにとある獣医さんにすすめられたものです。モエギキャップというサプリ。