失われてゆくもの

失われてゆくもの

それは

鏡の中の私

 

この黒髪も

この肉体も

徐々に輝きを失い

年老いてゆくから

 

13歳の頃の

鏡に映った自分を

思い出す

上気した顔

おそれを知らぬ目

生とは果てしなく

先の見えないトンネルだった頃

 

20歳の頃

映ったもの

それは

誰にも負けぬ

輝かしい肉体

 

そして 今

おまえは

もう 知っているはず

 

鏡に映るのは

無常

それは いっときの幻

蝋燭の灯

 

いつか

灰と消えてなくなる

うたかたの 生


2001.03.23