知人のところで飼っていた犬の悲しい運命のことを知った。
シベリアンハスキーの雌である。
やむない事情で処分場に送られたそうだ。
一晩散々泣いて泣いて、
今朝は顔が腫れて人前に出られなくなってしまった。
今も日に何度も思い出して辛い。
何年か前に頼んでお散歩させてもらったこと、
その時、彼女がはしゃいでもの凄い力で私を引っ張って走ったこと、
草むらでヘビを見つけて「蛇狩り」を始めたこと・・・・・
思い出すと涙が止まらない。
ああ自分はなんでこんなに非力なんだろう、というのが辛い。
こういう時はいつも、人間なんか嫌いだ!と思う。
そして、自分が人間であることが、
それだけで原罪であるとに思えてまた切なくなる。
大金持ちで大きなお屋敷に住んでいたら、
彼女を引き取って
どうにでも面倒みてあげられたのになぁ、とか
無意味なことを考える。
私は非力なただのちっぽけな存在で、
犬一匹、猫一匹救うこともできない。
それがとてもやるせなく、悔しく、苦しいのです。
だからといって
保健所で運命を待っている犬や猫全部を救うことなんて
到底不可能なんだし、
言ってもせんないことと頭ではわかっていても、
それでも悔しくて、辛くて、切ないのです。
生まれ変わるとしたら犬だけはイヤだ。
猫の方がまだいいけれど、
できることならば私は路傍の石ころになりたい。
そう、心のないものになりたい。
「私は貝になりたい」とつぶやいたあの昔の人のように。