[2000/08]

・・・・8月は お盆もくそもなく ずーーっとお仕事モード
これもすべて小笠原のため・・・

■8/19(Sat)

ひたすら お仕事。ちゅんさんたちは日光に遊びに行ってるんだって・・・いいなー

■8/20(Sun)

ひたすら お仕事。 休日返上・・・

■8/21(Mon)

ひたすら お仕事。

■8/22(Tue)

ひたすら お仕事。

■8/23(Wed)

ひたすら お仕事。 ようやくこの日になって周囲に小笠原行きの日程を告白(^^;

■8/24(Thu)   小笠原行き

いよいよ出発! 出航は午前10時。
朝8時前に 駅前からタクシーで南武線の稲城長沼駅へ

なんでって? 平日のラッシュ時にでっかい荷物持って階段上がり降りしたくなかったもんで(^^; 

行きは「一等」なのだ。帰りは特2等。トシ食ったら、体力のなさをお金でカバーしないとね!(^^;
一等はトイレはないけど 相部屋でないので気楽。 (A寝台レベル??)

ひたすら寝ていたわたくし。 
揺れがもたらすのは「眠り」か「船酔い」の二者択一なので(^^; 
一気に寝不足解消できました。

■8/25(Fri) hahajima

11:40am 父島到着。 島寿司を素早く食べて ははじま丸にて2時間の航海へ。
母島での宿は、ペンション「ラメーフ」。
フランス語で海って意味のLa mereなんだけど、ある人がラメールじゃなくてラメーフってはトンのほうが原語に近いんだって力説したからなんだって(^^;
ここのご主人はカジキマグロなどの漁師さん。

母島について早速水着に着替えて港横の脇浜で泳ぐ。

■8/26(Sat) hahajima

フリッパー」で北港からのシーカヤックアドベンチャー。二人乗りのカヤックで楽珍。 
これ、初めてだけど、ハマりそう。みなさんもぜひお試しあれ。

母島祭りの夜。 びっくりしたのが盆踊りを22時半ぐらいまでやってるの。 東京だと9時ぐらいでお開きなのに。 
ほのぼのと盛り上がっていい感じ。
海のそばの夜の公園は 風も涼しく心地よい。
亜熱帯なのに東京なんかよりよほど快適じゃん!・・・

…うーーん 真夏の夜の島風情を満喫!

■8/27(Sun) hahajima

バラーバル号」で無人島シュノーケリングツアー。 4名までで一人6500円なんだけど、今日は2人の貸し切り!

天気も最高だけど うねりはわりとある。
「平島」と「二子島」をリクエストし、連れて行ってもらう。
二子島はものすごく美しい無人島。潮が速くてあまり泳げなかったけど、カツオドリの真っ白いヒナも見られたし、親鳥もすぐそばで観察。
ランチタイムにもらった差し入れの「島バナナ」が超美味!
バナナ嫌いのNagでも食べられたほど。
あ? もう一生分シュノーケリングしたような気分

夜はふたたび「母島祭り」。今日は花火があるって。
市販の一番大規模クラスの花火をいっぱいあげる。

港や町の照明を全部消すんだけど、消えた瞬間、満天の星空が!
思わず暗闇のあちこちから感嘆のため息。

■8/28(Mon) hahajima -->chichijima

「おが丸」出航日。
ラメーフをチェックアウトし、「ははじま丸」に乗って父島へ

名物の出航見送り風景を港から見物。

■8/29(Tue) @chichijima

今日も天気悪。 「小笠原グリーン」で軽1Boxのレンタカーを借りて島巡り
周遊道路は全部で24kmぐらい。 途中 コペペ海岸、宮の浜などにも寄る。

■8/30(Wed)  怪我の顛末(長文)

さあ、待ちに待った「きりまる」でのドルフィンスイミングツアー。

これは、30名乗りのクルーザー(グラスボートになっている)で、ハシナガイルカやバンドウイルカの群れを探しに行き、イルカと一緒にシュノーケリングしたりできるのが売り物で、父島では10ぐらいこのようなツアーをやっているところがあって、人気メニュー。 よくあるのは とても美しい無人島「南島」上陸と、屈指のダイビングスポットとされている「兄島海中公園」を組み入れたコースで、この日もその予定だった。

小笠原では、すべてが「おがさわら丸」の入出港スケジュールによってリズムが決まって居るみたい。 
おが丸は8/28に東京へ向けて出航し、8/31までお留守。 
これを島では「出航中」と呼び、観光客も少なくひっそりしている。 
イルカ船に乗るにも「チャンス」なわけだ。

実際 この日も自分たちを入れて、たった5人の貸しきり状態。

・・・しかし 今日も波が高い。 ほんとに船が出せるの?ってぐらい。 
マジで、うねり高し(^^;

昨日はうねりがすごくて、南島に接岸できなかったそうだ。今日は?・・・・

高鳴る胸を抑えて、出発。 30分ほど走ったところで ハシナガイルカの群れを発見。

彼らは 見るにはいいけど人間とは遊んでくれないそう。 しばらく 近辺でイルカ探ししながら船はうろうろ。 
やがて 南島目指して移動する。 もーー とにかく すっごいうねり。 
ほかの3人(男の子2人と女の子1人)は船の2階とか、へさきのところに張り付いてる。
揺れが半端じゃないのによくへーきだわ・・・・ 
女の子は単独乗船みたいで、イルカ船慣れしてる。 
スタッフより早くイルカを発見することもあるほど。

「あ、バンドウさんがいた!」の声で みな一斉に待機状態にはいる。

私もあわてて自分のマスクとシュノーケルをつけようと・・・・・・・そのとき!!!!

マスクとシュノーケルを留めているプラスチックのパーツが割れた!!

船のやつを急遽貸してもらったんだけど 思えば このとき素直にやめておけばよかったのだ・・

だいたい自宅を出るときだって「下駄の鼻緒が切れた」よろしくサンダルのベルトが切れたんだよね・・

Nagは「うねりがすごいから俺は入らないよ」っていってたのにねえ。

船の最後部のステップが海におろされる。 うねりはものすごく船は激しく揺れている。

一度 イルカを見失い再度船はそのままの状態で動く。 つけたマスクをいったん外したのだが、すぐに「あっ 居た!」の声。 見ると目と鼻の先にイルカの背中。 例の女の子は先頭でやる気満々。 スタッフの「さあ、入るわよっ」のかけ声で次々海へ。 私はどんじりで 焦り気味

早く入らないとイルカが逃げちゃう!・・・・船があまりに揺れるので 思わずステップに捕まろうとしたんだけど、今まで乗った船と違って幅広の立派なステップは握れない。 で とっさに脇の細い手すりみたいな棒に左手を伸ばして握った・・・

挟まれた! 痛い! 抜けない! やばっ・・・

こうして大惨事はおこったのだった・・・  
やっとの思いで引き抜いたとき、左手の薬指の先がちぎれて殆ど取れかかって、ぶらさがってるのをこの目でハッキリ見ちゃった。(^^;

事故に気づいたNagとスタッフの女性がすぐに私を引き上げて止血措置をし、海に入った皆を船に戻らせて、船長には港に戻るように叫ぶ。。。 挟まれたと聞いたときに船長が「またか!」と言っていたので、こういう事故は初めてではないんだね。

私はといえば せっかくイルカをみつけて張り切ってる他のお客さんの楽しみを台無しにしちゃった申し訳なさで頭が一杯。 それどころの事態じゃなかった筈なのにねえ(^^;

人間ってよく、大けがをした瞬間などに感覚遮断されるっていいますよね。まさにアレなんだと思う。 
まともに受け止めて、痛くてショック死しちゃわなうようにする一種の
保護回路みたいなもんなんでしょうか。

挟まれたときは戸袋で指を詰めた、っていうような痛さ。
引き抜いたとき、
何故か痛みを感じなかったんですよね。妙に冷静に頭が働いているの。

「指はつながってるな、よし
「この船、保険入ってるのかな

「私 国内旅行傷害保険に入ってないだろうなぁ

「保険証持ってこなかったぞ」

とか そんなこと次々考えてた。(ヘンでしょ?)

船は10分で港に到着。 彼等の車で診療所に急行。
島の診療所は意外と立派。 医者は3人で、外科医(実際は総合医、なんですが)と産科・内科医、歯科医。

運び込まれて医師が患部を診て「殆どの場合は指を切断するしかない」と言ったのを聞いたとき初めてものすごい動揺して、「ピアノが弾けなくなっちゃう!!」と叫んじゃった。

一部でもつながってるんだから縫合すれば大丈夫なんだって漠然と思ってたんですね。
骨まで 押し切られてるっていうの、わかってなかったかも。

手術室に運びこまれ、だいぶ間があって、手術が始まった。患部を洗ってみたら、指先側からも出血してて血色がよいことから、一転して「これはもしかしたらつながるかも」という空気に変わった。
なんでも指の血管というのは4本あって、偶然そのうち1本が残っていたみたい。 

守護霊様がなんとか守ってくれたのかも

手術は2時間ぐらいかかったみたい。
そのあと夕方まで入院して抗生剤を点滴された。

縫合しても感染症やらで結局やがて指先が壊死して、切断する羽目になることも多いと聞いて、ひたすら「くっつけ、くっつけ」と念じるのみ。

私にとって最大の幸運は、この総合医(新藤先生)が非常に腕の立つ整形外科医でもあったってこと。
(自治医大からのいわゆるお礼奉公中の先生らしい。) 医師交替の時期で外科医不在ってタイミングで大けがしてたら、私の薬指は失われてたんじゃないのかなぁ・・

なお、その晩、港前の焼鳥屋に一人で飲みに行ったNagが、店で歯医者さん(常連なんだって)と居合わせて聞いた話では、「自衛隊機要請」のハナシがでてたんだって。ひょえ(^^;

自衛隊機は父島→東京間は2時間(1000kmの距離ね。船では25時間)で行くんだけども、硫黄島駐留の自衛隊機に要請してから東京の病院につくまで6時間ぐらいかかっちゃうんだって。 
で 結局 島で縫合にのぞむ、ってことになったみたい(?)。

そんなこんなで 9/3におが丸で発つまで 連日消毒やらで通院することに。

ってことで しばらく「またたび日記」は療養日記と化すこと必須。・・

■8/31(Thu)

朝10時と夕方4時に、診療所へ消毒と点滴のために通う
無理言って予約したシーカヤックツアーもキャンセル。

Nagだけでも楽しんできてって言ったんだけど・・

今日明日の二日間はレンタカー借りることに
鎮痛剤漬けでぼーっとしたまま ゆるりと
観光。
「水産センター」や「海洋センター」でウミガメ見学、ウェザーステーションで素晴らしい夕陽を眺めたことが最高の思い出。

夜 Nagが歯医者さんに私を会わせたいといって、焼鳥屋に。

とーぜんアルコールはダメだから私はウーロン茶。 バイトの「みわちゃん」「りょうこちゃん」が面白いキャラで盛り上がる
成り行きで ドクターの車で「グリーンペペ(夜光茸)と星空鑑賞ツアー」とあいなる。

時間はもう深夜。 かなりバテバテで最後は車の中で一人で横になって夜空を見ていた。ドクターの気持ちがとっても嬉しかった私たちでした。

しんどかったけど すごくいい思い出。