人生 という
長い夢の中で 
夢にみられているわたしが
夢をみている

これは 夢
そう おもいながら


かなしくて きれいな夢
せつない夢だ
はかなくて


何か 云おうとしても
声がでない

   夢だから…   と
   うつむく


いつか ずっと前にも
こんな 美しい夢をみたような…


夢 に みられた私が ぼんやり と
古い夢を 思いおこしている
今 みている 夢のなかで
あれも やはり
胸が痛んだ と…



   (夢を たべつづけている
   夢のなかで
   夢は たべてもたべても
   はらにたまらない
   ただ 胸にたまるだけだ

   いつまでたっても
   飢えたままだ…)

 

29歳のとき書いたもの。